フォーマット思考の原点
書籍では公開しなかった、フォーマット思考のベースとなる考え方をご紹介いたします。
「型にはめる」という言葉に隠された本当の意味をご理解いただけると思います。
今から20年以上前の平成元年。私はある変わった実用新案を2つ申請していました(平成6、7年に2つとも登録確定)。その内容は「タイムマネジメント」に関するものでした。
これの何が変わっているのかというと、実はこれ、「時間を創造する装置」として考え出したものだったのです。
申請したのは、六本木で飲食店を経営していた頃です。まだ20代半ばだった私は、やる気満々で体力もあり、仕事も遊びもやりたいことだらけで、寝ないでも時間が足りないという状態でした。「正直、あと、一日2~3時間ぐらい欲しい」と考えていました。
かといって、本当に時間を伸ばすことなどできるはずがありません。そこで考えたのが、「行動の区切りを増やす」という方法論でした。
当時、以下のような仮説を立てました。
◆一日という時間量は決まっていても、それを24等分して24時間表示とするのは自然界の法則ではない。であれば、26等分だって、30等分だっていいのではないか?
◆人は、なぜか『行動の起点と終点』を時計の針の区切りのいいところに合わせてしまう習慣がある。であれば、時計の時間軸自体を変えてしまうことで、より多くの行動ができるのではないか?
◆たとえば、一時間が60分間ではなく、54分間で一回転する時計があったとする。その時計で24時間過ごしたとすると、本当の24時間が経過するまでに、実質144分(2時間24分)もの時間が余っていることになる。毎時6分の細切れ時間では、何もできないが、それを一つにまとめられる時計があれば、何かもうひとつできるはず。その時間、遊んだり休んだりするのだっていいだろう。
◆今まで「時間は変えられない」と思っていたことが、変えられるとなれば、実用性という以上に、遊び感覚の機能としてもいいのではないか。時間の奴隷から、時間の主人になれるだけでも楽しいのでは?
このようなことを考えながら、この仮説をカタチとして表現するために、時間軸を自在に操る「時計」と、それに連動した「ダイアリー(スケジュール表)」の実用新案として申請したのです。(その後、ある企画会社を通して、大手メーカーさんとも実用化の話を進めたこともありましたが、商品化にまでは至りませんでした)
実用新案公告及び実用新案登録証 画像をクリックすると拡大します。
「型にハメる」とは自分で行動の区切りをつけること
一般的な時間管理術といわれるものは、結局のところ、市販のスケジュール表という「与えられた型」の中での時間活用法に過ぎません。
しかし、このように「人は区切りで行動する。そして、その区切りは、与えられるものではなく、自分で区切りをつけるもの」 という視点を持つことができれば、時間管理術の常識も「型にハマった考え方」であることに気づき、新たなる可能性を模索することもできるようになるのです。
自分でつくった「表のフォーマット」も、紙の上に書いた「行動の区切り」です。つまり、表のフォーマットを「型にハメる」ということは、「型にはまらない考え方で、自分自身で行動の区切りをつける」ということなのです。

